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三菱一号館美術館「パリ♥グラフィック」展 の自転車ポスター
三菱一号館美術館で始まった「パリ♥グラフィック」展は、ロートレックなどの版画作品を通して
100年以上前の華やかなりしパリのポスター芸術が堪能できる展覧会。


足を踏み入れるとほどなく「シンプソンのチェーン」のリトグラフ(写真)がどーんと現れた。
これはうれしい再会!

この絵については、約9年前に本サイトに2本の関連記事(JUMP1JUMP2)を掲載している。


本作に描かれているのは、シンプソンのチェーンをつけたバイクが、前にいる他社製ギアを使ったタンデムを左から追い越す場面。
中央には、それを満足げに眺める経営者の姿。

けれど今回の展示における自転車関連ポスターはこれのみにとどまらなかった。


★ 以下写真は内覧会の折に主催者から許可を得ています。(凱旋門のプロジェクションマッピングの写真4枚をのぞく。)
IMG_2376.jpg 


同じロートレックの「マイケルの自転車」も別の部屋に収められていた。

実はこちらもシンプソンのチェーンの広告ポスターで、マイケルというのは実在の自転車選手。
ジェームズ(ジミー)マイケルという名のウェールズ人だ。

彼はピスト(トラック)競技の選手として耐久レースで名を馳せた。
活躍の場は、ビュファロー競技場(Vélodrome Buffalo /Stade Buffalo)や、ヘミングウェイも通ったという(*)パリのヴェロドローム・ディヴェール(Velodrome d'Hiver、通称ヴェルディヴ)などだった。


(*: ヘミングウェイの言葉:「自転車レースに関するストーリーをいくつも書いてきたが、屋内や戸外のトラック競技場やロードで行われる自転車レースそれ自体にまさる作品を、書くには至っていない。それでも私はヴェロドローム・ディヴェールに通う。木製の高いバンクがあって、午後の煙った光に満ちている。選手が走り去ると木の上でタイヤのきしむ音が鳴り響く。選手たちがバンクを上り下りするとき、彼らの努力と戦術が見えてくる。個々の選手は自分のマシンの一部なのだ。私は六日間レースの不思議な世界と、山岳で繰り広げられるロードレースの素晴らしさを書かねばならない」。)


IMG_2474.jpg 


ビックリだったのは、ナビ派の画家エドゥアール・ヴュイヤールが描いた「自転車」という作品。
彼も自転車のポスターを手掛けていたとは初耳だった。
制作年は上2つより2年早い1894年。

自転車の発明は1860年代と言われており、最初に開催された自転車レースは1868年。
パリのサンクルー公園で、1200mを争った。

その後パリ~ブレスト~パリ(1200㎞、1891年~)、ぺーサー付きのレース、ボルドー~パリ(560㎞、1891年~)など続々登場し、今でも続いている最古のクラシックレースはリエージュ~バストーニュ~リエージュで初開催年は1891年。といっても最初はアマチュアレースで、1894年にプロレースになったもののその後途切れて1908年に復活。

次に古い現存レースはパリ~ルーベで、初開催は1896年。
こちらの方は当初から安定的に運営され、2つの大戦で中断したのみにとどまっている。

ワンデイのクラシックレースに次いで複数日数かけるステージレースも開催されるようになり、
その集大成ともいえるべきツール・ド・フランスが誕生するのは1903年のこと。


2013年にはツール100回記念大会が開催された。
(2つの大戦の前後、計10年間開催が中断しているので、2003年大会は100周年大会ではあったものの、100回目ではなかった。)


100回大会最終日には凱旋門でプロジェクションマッピングが盛大に行われた。
(この年は最終日のレース開催時間が例年より遅くてなぜだろうと思ったら、なんとこれをやるための措置だった。なにしろフランスの夏は日が暮れるのが遅いので。プロジェクションマッピングを最後まで見て、宿に戻ったのは12時過ぎだった。)


(凱旋門に「100」の文字)
P1400287.jpg  P1400247.jpg  IMG_0653a.jpg  P1400250.jpg



上述のヴュイヤール作「自転車」には、
”サイクリストたちよ、Becane(強壮剤のようなお酒?)を飲みたまえ”、などと書かれている。
à base de VIANDEの一文がミステリー??(お肉ベースのドリンク??)

いつかお肉に含有されていた禁止薬物でドーピング失格になった選手がいたけど、
こちらの含有成分は大丈夫?・・などなど 突っ込みどころ満載の謎に満ちたポスターだ。
この文字書きも、ヴュイヤール本人らしい。


ナビ派ならではのジャポニズム的大胆な構図だ。
背景を見ると、屋外のトラック競技場みたい。





美術館入り口のイラスト集にもロートレックの自転車選手が登場し、

IMG_2577.jpg 


出口矢印にもシンプソンの自転車柄。

IMG_2576.jpg 


世紀末に開花した華やかなりし版画芸術を、
様々な作品をそろえることで多角的に見せるこの展覧会。

素晴らしい構成で楽しかったのだけど、この自転車作品との邂逅、そして新たなヴュイヤール作品との出会いというオマケがさらに気持ちをウキウキさせてくれた。


関連エントリー:


オマケ:ツイッター


******

 
展覧会名 : 「パリ♥グラフィック ― ロートレックとアートになった版画 展」
会場 :三菱一号館美術館
会期 : 2017年10月18日(水)~2018年1月8日(月・祝)
開館時間 :10:00~18:00(祝日を除く金曜、11月8日、12月13日、1月4日、1月5日は21:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日 :月曜休館(但し、1月8日と、「トークフリーデー」の10月30日(月)、11月27日(月)、12月25日(月)は開館)
年末年始休館:2017年12月29日~2018年1月1日
2017.11.10 Fri | Road Races| 0 track backs,
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